とことこギャラリー
午前三時のテンション
音のない生暖かい闇への入り口を開くと、私はいつものように何かに拒まれているかのような気分に襲われた。これからの私の意思について、何かの条件を要求しているかのようなどんよりとした抵抗感を押し付けていた。法に歯向かってはいない私に、半ば強制的に無実の罪を認めさせているような雰囲気が私を待ち構えていた。向かうところでは既に決められているかのように私を受け入れようとしない空気が必ず漂っている。勿論それらの問題についての根源的理由を私は今までの経験上において大まかに察してはいる。それは負の教訓とでもいうべき妙な精神的感覚であった。
ゆっくりと自宅アパートの段差を探るように降りて行った。半透明に輪郭を隠している存在がやけに興味深く映った。私はそれらの対象物に対して悪意のない攻撃心に駆られた。二十歳の私が地方の整形外科病棟に入院中、見たことが無いような異様な夕焼けを見たとき、私は意味もなくこの空を切り裂いてやりたいと思った。それは自然界に対する殺意でもあったように記憶している。その感覚的記憶は今でも静かに意識の表面上に浮かび上がってくる。それは警告とも示唆とも解釈できるが、その両者には見えない意味が含有しているように思える。それらの含有されている要素は決して無機質な成分ではないとは断言できる。
私を見下すように鉄筋三階建ての集合住宅が白く左にぼやけている。
冴崎 陽一郎
2026.08.04
