とことこギャラリー
時間
冷たくて寒い日であった。
暗くて音のない飛田給の夜に私は信号機の滲んだ光をぼんやりと見ていた。
黒くて真っ直ぐな品川通りの東を見ていた。
何かを探すように闇の彼方に視線を泳がせながら
憎しみと不和の争いに満ちていた自分の精神史の頁をたどっていた。
私のヘドロのような思い出は今も吐き気を誘い込んでくる。
しつこい性格である。
残された時間に何かを刻みたい。
己の内的宇宙に探査機を送り込んでみたい。
どのような画像が伝送されてくるのだろうか。
こころの中の広くて遠い不安な世界に。
冴崎 陽一郎
2026.05.07
